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キャットミント(犬薄荷・Catmint) ~情緒が研ぎ澄まされていく~
- 2019/09/14(Sat) -
キャットミント1920

定期購読している雑誌の10月号が届く。
その中の、数学者の「詩歌の品格」という連載エッセイの一節から。

 私の人生は、猪突猛進であった。
 前しか見ていなかった。
 小学校の5年の時点で「数学者になる」と決めた私は数学に専念するために猛烈に勉強し、中1で英語をマスターし、ついでに
 中2でドイツ語、中3でフランス語をやっつけた。
 私は他の誰よりも「前だけ」を見て生きていた。
 後ろはもちろん横も見なかった。
 今でも一日のほとんどを前だけ見て過ごしているのだが、ある拍子に、ふと立ち止まる時がある。
 その瞬間、〈思い出の数々〉が私の胸に去来し、心は涙で洗われる。
 情緒は年齢を重ねる毎に深くなる。
 肉親の死を体験することも大きいだろう。
 自分が死に向かって着実に歩みを進めていることもひしひしと感ずるようになった。
 人間の深い情緒はすべて、「一定時間後に朽ち果てる」という逃れられない死と結びついている。
 従って、年齢とともに情緒が研ぎ澄まされていく。
 私たちは老いることで、若い人間が太刀打ちできない「情緒」を手に入れるのである。
 老人が「涙もろい」というのは、自制心が弱まるからだけではない。
 情緒が本当に研ぎ澄まされてくるからだ。

“年齢とともに情緒は研ぎ澄まされていく”
なるほど。
たしかに。
ヒト、コト、モノへの向き合い方や深まり度も同じ事なのだろう。
青い柿が色付くように、さらなる熟しの坂を上っているのが老いなのだ。

一度だけ氏の講演を聞いたことがある。
今から26年前の1993年のこと、演題は「21世紀を担う子どもたち」。
その歯切れのよい語り口を今でも覚えている。


   秋声と聞く風音に親しみぬ  (稲畑汀子)

キャットミント1921

キャットミント1922

キャットミント1923
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コメント

研ぎ澄まされた情緒で人や自然や出来事に向き合えられるのは、幸せなことなのでしょうね。感動やよろこびに満たされる。時に苦しみや悲しみが増すことも。
情感を遮断して生きようと思う刹那もあるけれど、キャットミントの可愛らしさに、今日もしあわせなひととき。(キャットなのに、なぜ「犬」の字がつくのでしょう?)

2019/09/15 17:27  | URL | 森のいずみ #-[ 編集] |  ▲ top


「 私たちは老いることで、若い人間が太刀打ちできない「情緒」を手に入れるのである。」
それなら老いる事もいいかな?若い時にはない研ぎすまされた情緒を手にする事が出来る!! う~~~ん私はどうかな?

ただ涙腺の老化で涙もろくなっているだけのような気がしています。
修行や経験が足りませんね。自分に喝です。
2019/09/18 13:42  | URL | しーちゃん #-[ 編集] |  ▲ top

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